料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
ソムリエがワインを薦めるように、料理に合わせた日本酒を提案する時代が来ました。 |
新しいマコモダケの豚肉巻き煮。
「ずいぶん行き当たりばったりの料理」と自分で書いたくらいに、あまり考えもせずに作ってしまった「マコモダケの豚肉巻き煮」・・まずい、これはまずい。貴田乃瀬の親方も焼きが回ったと言われるに違いない。実際お客様が「へぇ・・ずいぶんと簡単な料理だねぇ、すごく美味しいけど」っと言った。言ったんです。一応ほめてくれているのだからそれでよしとすれば良いのだが、あくまでも一応なのである。簡単だからいけないと言うことではない、あまり考えもせずに作ったのがいけないのだ。本当にマコモダケを豚肉で巻いただけでいいの?、もっと他にやり様ってものがあるんじゃないの?。・・反省してる??。
で、反省した結果、これまた行き当たりばったり見たいな結果になってしまったけれど少し考えて、マコモダケを細く刻んでそれを桂向きにしたダイコンで巻き、その上から豚肉をまいてみた。だからどうしたって言われないように、何でこうなったのかをちゃんと説明しておかなければなるまい。まず、従来はマコモダケをざっくりと四つ切にしてそれを豚肉で巻いていたのだが、それではマコモダケに味がしみていかないし、エリンギに近い食感を持つマコモダケは四つ切にしたくらいでは歯に当たった感じも悪い。なぜ、前回それが分からんかったのだ!!。次に、ダイコンで巻いてみたわけだけど、これは味のしみていかないマコモダケの代わりにダイコンに味をしみ込ませて見よう・・と考えた。どうだぁ。豚肉でがっちりと巻かれているのを見ると「コッテリとしたくどい感じの味付け?」になっているように思われるが、意外とさっぱりとした味の料理なのだ。そのさっぱり感をさら増すようにと言うのが「あり」のダイコンなのだ。
鍋に入れてコトコトとじっくり火を通していく。豚から出てくる脂はしっかりと、完璧に取り去らなければならない(そうは言っても脂は残るんだけどね)。で、ここに鶏がらからとった濃いスープを入れる。豚なのに鶏がらのスープなのだ。ここだ、ここがこの料理のポイントだぁ。さっぱり感を出すには豚からでた味ではなく鶏がらのスープを中心に味をつけていくのだ。くずをつかってトロリとさせて料理に絡むようにする。今回は考えて作ったからプロトタイプよりはずっと、さらに、一段と、かなり・・美味しいと思う・・のだ。