旬肴地酒 貴田乃瀬
旬肴地酒 貴田乃瀬
静岡県浜松市田町 231-1
TEL: 053-455-2832
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料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
ソムリエがワインを薦めるように、料理に合わせた日本酒を提案する時代が来ました。

04-06-08 旬の料理 Index / 煮物

煮物:きんきのあら煮

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貴田乃瀬名物のひとつ、キンキのあら煮。普通「あら煮」と書くと魚のあらが煮て出てくるのだと思うお客様が多いのだが、このキンキのあら煮は1匹丸ごと。煮かたが「あら煮」なのだ。貴田乃瀬開店以来のメニューで、自分で店を持つ時がくれば、ぜひこの料理で商売をしたいと思って、修行時代から温めいた料理だ。甘辛い煮魚・・子供のころに食べた煮魚、たっぷりの砂糖とお酒、醤油を使い強火で一気に煮上げる。少しでも気を抜くと鍋が真っ黒に焦げ付いてしまい鍋の中の魚は炭になってしまう・少し大げさか。しかし、それくらいの勢いでこのキンキは煮られる。

魚を煮ると言う料理は、見た目にはシンプル、簡単に映るかもしれないが、火加減はもとより煮上げたときのタレの感じが想像できなければ台無しになってしまう。結構奥が深い料理なのだ。店とか料理人によっては、作りおきをした煮ダレを使って「あら煮」を使っている事もあるだろうが、貴田乃瀬流と言うか、私的にはその時その時、魚の大きさや脂ののりぐわいを見ながら砂糖や酒を鍋の中に入れて行き、煮上げて行くのがいいと思っている。面倒くさいとか言っていると美味いものは出来ないし、プロなのだから味が変わったりすることは「まず」無い。何気なく手の中につかんだ砂糖は、何回計ったっていつも同じグラム数になる。適当に入れているように見える酒や醤油も同じことなのだ。

「キンキの連鎖反応」とか「キンキ・キンキ・またキンキ」とか、いい加減な名前をつけている現象が貴田乃瀬にはある。カウンターとかテーブルとか、ほかのお客様がのぞける場所でキンキの注文があると出てきたキンキを見て次から次へとキンキの注文が入ってくるのだ。うれしい。素直にうれしいのだが、鍋が追いついていかない・・ご注文は出来るだけそろえてお願いします・・・・なんて言いたくなるくらいだ。貴田乃瀬の名物になった「キンキのあら煮」・・進化することは無いかもしれないが、この「味」が歴史になるくらいの料理に仕上げていきたい。・・・・かっこいいなぁ。

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