旬肴地酒 貴田乃瀬
旬肴地酒 貴田乃瀬
静岡県浜松市田町 231-1
TEL: 053-455-2832
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料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
ソムリエがワインを薦めるように、料理に合わせた日本酒を提案する時代が来ました。

04-07-06 旬の料理 Index

鱧のすり身の信田揚げ。

京揚げのいいものが手に入るようになった。京揚げと言うのは「油揚げ」のことで、浜松近辺で普通に油揚げと言っているものからすると、大きさと厚さに違いがある。豆腐を小口に切って、まずは低温の油に入れてじっくりと時間をかけて揚げていく。だから本来の豆腐以上の大きさの油揚げって言うのはあまり見ることはない。しかし、京揚げはかなり大きい。タオルを盾に四つ折にしたぐらいの大きさがある。厚さは逆に薄い。卸したてのタオルぐらいの厚さしかない。つまり、普段お味噌汁に入れるあの油揚げとはまったく形が違う。

京都では、油揚げのことを「お揚げさん」と呼んでいる。その呼び名がいかにも京都らしい。そのまま網で焼いて醤油をたらしただけでも美味しいけれど、青菜との炊き合わせはおばんざいの定番だ。たけのこと京揚げなんかも季節の定番。「京揚げ」と言うけれど、京都に住んでいる人たちは「京揚げ」とは言わずに「お揚げさん」なのだ。京都以外の人たちがブランドとしての京都土産の油揚げに「京揚げ」の名前を使ったらしい。最も今では京都でも「京揚げ」として売っているけれど。

京揚げにするお豆腐はもともと大きめのものを作る(今現在、正しい京揚げを手作りで作っているお豆腐やさんは大変に少ないらしい・・)。大きめの豆腐を薄くきり菜種油でじっくりと揚げる(この菜種油で揚げる所も今ではほとんどなくなってしまったらしい、今では白絞油が主流らしい)手間もかかるし、不通よりは少しお高め。しかしうまい。

鱧のすり身をよく練り直して、たっぷりの蟹のみを入れてこの京揚げで巻く。さらにラップで巻いて蒸し器で蒸して火入れる。これを小口に切り分けて油で揚げる。油揚げの表面がカリカリになるくらいに揚げる。濃いかつおだしで作った餡をたっぷりとかけてお客様に。こんな料理に使われるとは京揚げも思うまい。

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