白い鷹は１０００年にいちど現れる霊鳥と言われており、王者の風格と気品を備える鷹に、清酒の清らかさをあらわす白を合わせて「白鷹」の酒名が生まれました。文久２年の創業以来、超一流を目標として常に品質本意の酒造りをし、高級イメージ を強く打ち出しています。今も佳選クラスの酒を一切出さないのもこの蔵の特徴。創業者が残した社訓は「桃やすももは、花も実も美しいので自然に多くの人々が集まってきて、下にはいつのまにか小道ができる。品質の良い品を人々に正直に販売していれば自ずと人々が求めるようになる」・・との心情の下の酒造りは今も変わらないようです。初代と親交のあった「富岡鉄斎」を始め、多くの文人に愛され、その書斎や作品にしばしば「白鷹」の名前が登場しています。大正１３年以来、伊勢神宮の御料酒として、全国で一社だけ指名を受けています。酒米の王といわれている山田錦は、その誕生のころから採用しており、資金援助などをしたため、今でも生産地と綿密な関係にあり、その使用率は全国でも１、２を争っています。また、宮水地帯に８本の井戸を持ち、杜氏にも恵まれ、伝統のきもと造りで仕込む酒は、やや辛口で灘の本格派になっています。

純米吟醸 懐古

今回紹介する大吟醸は薫り高い端麗な辛口のタイプに仕上がっています。