料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
ソムリエがワインを薦めるように、料理に合わせた日本酒を提案する時代が来ました。 |
穴子の旬は本来夏ですが、この時期「東京あなご」と呼ばれている、まあなごの50cmほどの大きさで脂ののったものが出回ります。2月の終わりから3月の始めの少しの間だけです。
よくぬめりを取りさっと湯引きをしたものを、戻した干瓢で三本を一締めほどに結んでいき、酒と醤油、少しの味醂と生姜でさっと炊き上げます。お客さまに出すときには、一口サイズに切り分け、青味にいんげんと木の芽を添え、軽くつゆをはり、召し上がって頂きます。
穴子本来の旬になれば醤油で洗い、さっと焼き上げたものが一番美味しいと思いますが、いくら脂がのっているとはいえ、やはり旬の物にはかないませんので、この様に炊き上げることによって穴子に外側から味を入れるのがこの料理の一番大事なところです。
この料理には、しっかりとしている味わいの酒が合うので、純米吟醸、磨き3割9分「獺祭」などいかがでしょうか。