料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
ソムリエがワインを薦めるように、料理に合わせた日本酒を提案する時代が来ました。 |
甘鯛。
ほぼ毎日、甘鯛をしいれている。舞阪物の中で良いものを選んでいる。焼き物や蒸し物にも使え、もちろん刺身にも使えるという便利な魚だ。貴田乃瀬では、まず刺身だ。甘鯛は身の柔らかい魚なので、三枚に降ろすときにも注意が必要だ。出来るだけ身に負担を家内ように丁寧におろす事が肝心だ。
三枚におろした甘鯛の身には、岩塩をパウダー状にした細かな塩を振り掛け、ペーパータオルを掛けておきドリップとして出てくる余分な水分をしっかりと取る。これで甘鯛の身がぐっとしまるのだ。昆布などで〆る方法もあるが、昆布の香りが苦手なお客様もいるので、塩味がつかない程度の塩締めで水分を出していく。
冷蔵庫で1時間以上寝かせてから使う。小口に切り分けて、さっと湯通しをして氷水に入れすぐに水気を取り、よく叩いた梅干(梅肉)で召し上がっていただく方法と、薄く削ぎ切りにしてワサビで召し上がっていただく方法の二つがある。圧倒的に湯通しをして梅肉・・これが人気だ。シーズン中にどれくらいの甘鯛を使うのか。この時期貴田乃瀬には、甘鯛がないと仕事にならない。