旬肴地酒 貴田乃瀬
旬肴地酒 貴田乃瀬
静岡県浜松市田町 231-1
TEL: 053-455-2832
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料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
ソムリエがワインを薦めるように、料理に合わせた日本酒を提案する時代が来ました。

04-10-21 生ビールの話

親方楽談:生ビール話50。

グラスに注がれたビールが美味しいか、美味しくないかは、飲む前に見ただけで分かるのだ。グラスに三分の一ほどの量のきめの細かい泡がふっくらとグラスの上に乗っていれば、とりあえず上手に注げた証拠なのだ。もし泡の量が少なく、その泡もパチパチとどんどんと弾けて消えてしまうようでは、美味しさは期待できないのだ。こんなビールを飲んでみると、炭酸ガスの量が多いために苦味が強く感じられ、喉への刺激も強く、スーッと入っていかなかったりするのだ。反対にグラスの半分以上も泡になってしまった場合には、炭酸ガスが抜けすぎなのだ。この場合には、しまりのない、何か気の抜けたようなダラッとした味わいになってやっぱり美味しくないのだ。

適度なきめの細かい泡のあるビールは、炭酸ガスが適度に抜けて苦味とのバランスが良くなって、味わい全体がマイルドになってとても美味しいのだ。こう注げるようになるまでがビール飲みとしての長い修行の時代なのだ。きめの細かい泡は泡持ちがよくって、適度に抜けて丁度良くなった炭酸ガスをビールから逃がさない「蓋」の役割をしているのだ。貴田乃瀬で使っているアサヒビールの「熟撰」。このビールをグラスに注ぐ時に一番注意されたのは、まさにこのきめの細かい「泡」なのだ。たとえばグラスに注がれたビール(この場合は熟撰)を合計10回に分けて飲み干したとするのだ。きめの細かいきれいな泡が「蓋」となっている場合には、グラスに10回分の泡の横縞模様がついているのだ。泡が「蓋」の役目をしているのが一目で分かるのだ。泡の「蓋」が少しづつ減って行くビールの上にちゃんと乗っかっていれば、そのつどグラスに泡の横じまをつけていくのだ。結果的に10回で飲めば10本の横じまがついているのだ。

この横じま「蓋」がグラスに注がれたビールを最後の一口まで美味しく飲めるようにする秘密なのだ。

また続いてしまうのだ。

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