旬肴地酒 貴田乃瀬
旬肴地酒 貴田乃瀬
静岡県浜松市田町 231-1
TEL: 053-455-2832
Welcome to Kitanose
料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
ソムリエがワインを薦めるように、料理に合わせた日本酒を提案する時代が来ました。

04-06-29 お知らせ

この親方の握る鮨は!!。

行きつけの鮨屋の親方は、でっぷりとした体格のいい30代なかばで、私から見ると気のいい若い衆に見えてしまう。若いから彼が未熟だとは限らない。彼の鮨にかける情熱は、そのセンスとともに他の同年輩の職人たちの中では突出した感がある(個人的な思いだが)。情熱があり、センスがあればおのずと技術も身に付くし持ち前の研究熱心さがさらに、彼の握る鮨に磨きをかける。彼の握る鮨に感動して自分の友人や貴田乃瀬のお客様など、かなりたくさんの人を紹介してきたがいまだにクレームを聞かない。

ニコニコといつも笑顔を絶やすことなく、なお手早い彼の仕事振りを見ると、確かに手は早いけれども気難しい顔をして(人によってはブッチョウズラって言うらしい)お客様から「何か怒ってるの?」なんて聞かれる自分の仕事中の態度を改めないといけないと心から思うのだが・・長続きがしない。

この次ぎ生まれ変わってこれるのなら、次回の人生は絶対に「鮨職人」を選びたいほど、私は鮨が好きだ。ただ好きなだけではない。若いころ実際に鮨職人への道を探ったこともあったほどだ。「なぜやめたのか??」って?。この体にぴったりのサイズの手のひらでは、鮨を握ろうと思うとおにぎりになってしまうと気が付いたし、教えてもらおうとした親方に「お前の手じゃぁ、小ぶりで、小粋な鮨は絶対に握れないなぁ」って言われたからだ。心の片隅に鮨に対するコンプレックスがトラウマになって残っているのかもしれない。

細かな仕事というのが嫌いな職人が多い中、この親方は違う。ぽっちゃりとやさしく膨らんだ手で小さな小さなシンコを裁く。4時間もかけて裁いたシンコは数人前の握りにしかならない。そのシンコを握ってもらう時、手間も味のひとつとして舌の上に広がって染み渡っていくのがはっきりと分かる。ああっ極楽(舌が)。
この親方の40代に期待する。精進などと声をかけることなどしなくても、間違いなくこの親方は進化する。

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