旬肴地酒 貴田乃瀬
旬肴地酒 貴田乃瀬
静岡県浜松市田町 231-1
TEL: 053-455-2832
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料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
ソムリエがワインを薦めるように、料理に合わせた日本酒を提案する時代が来ました。

04-06-30 生ビールの話

親方楽談:生ビール話17

長い間、料理屋でも何処でも「ビール」と注文すれば「キリンビール」が出てきて、それに対して誰も文句を言う人もいなかった。旅行先とか、忘年会、新年会なので、銘柄の違ったビールが出てきても、それは仕方のないことだ思う程度で、これまた文句を言う人なんていなかった。確かに「アサヒスーパードライ」はビール業界においても、飲食店においてもターニングポイントというべきか分岐点と言うべきか、このビールが出たことによって第2の選択肢ができたと言うことは事実だと思う。

それまでお客様が「ビール」と言えば黙って「キリンビール」を出していればよかった多くの飲食店も、お客様のほうから「スーパードライはないの?」と聞かれるにいたって、キリンラガービールで埋まっていた冷蔵庫に新しくアサヒスーパードライを入れるべく、酒屋さんに注文をしたはずだ。それから何年になるだろう、ビールを造っているいくつかの会社が、このキリンとアサヒの間に割り込もうと本気で「美味しい」と言ってもらえるビールを作るようになった。若い女の子に受けるだけのビールとか、コマーシャルでは美味しく見えるビールって言うのが姿を消し始めた。ある意味・・本物志向って言うか、本当に美味しいビールが出回ってきた。ただ、まだ各会社が暗中模索状態でいろいろな種類、形態のビールを発売してお客様の動向を探っているような状態だったと思う。

これがまた何年も続いて、作り手のほうもだんだんと緩慢になり、大きく売り上げの上がっているビールに挑戦しようなんて思う気力がうせてきた矢先にビール業界に激震が走るのだ。酒税の問題と世の中の不景気から無理やり生まれてきた発泡酒ビール(一応ビールって呼ぶけど)が大ヒットすることになる。
これは計算違いだったと今でも思っている。お小遣いを減らされて晩酌に困ったお父さん達用に考え出されたビールだと思うけど、それが居酒屋や、まさかと思う人もいるだろうが料理屋にまで使われるようになり、ビールの売り上げよりも発泡酒ビールの売り上げのほうが高くなるなんて言うことになってきた。

この続きはまた明日。

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