旬肴地酒 貴田乃瀬
旬肴地酒 貴田乃瀬
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03-10-02 調味料 Index

調味料:脂・油 11 (バターの特徴)

昨日の続きです。

バターの大きな特徴と言えるのが風味と香りでしょう。この成分はバターの中に300種類以上も存在するのだそうですが、香りの成分のほとんどは生乳中の脂肪中に含まれている脂肪酸から来ているのだそうです。

バターを溶かすといい香りがするのは、脂肪酸が過熱されると揮発しやすい性質のため、この脂肪酸とこの中に含まれているさまざまな物質の香りの成分が、複合的に絡み合ってバター特有の風味を生み出すのだそうです。

バターは、外から加えられた力によって、粘土のように自由に形を変えることのできる特性を持っています。薄くきれいな層状を作る折込パイがバターのこの特性を利用した代表的な調理例になりますね。このバターの特性を可塑性(かそせい)と言います。バターが可塑性を示す温度範囲は13〜18度、この特性を生かして作業をするには、常にこの温度帯に保っていなくてはなりません。

バターが小麦粉の中に薄い膜状に広がってグルテンの形成を阻止して、組織を滑らかにする性質をショートニング性と言います。この性質により、焼き菓子などをサクッとした軽い口あたりに仕上げる事ができます。したがって生地に配合するバターの量が少なければ、固い仕上がりになり、多いほどもろく仕上がります。この状態がもっともよく働くのが可塑性を示す状態のとき(13〜18度)温度がこれよりも低いと固い粒状になって広がらないのだそうです。逆に高すぎると油滴になって生地にしみこんでしまいます。

バターを攪拌するとき、大量の空気を混ぜ込む事のできる性質をクリーミング性と言います。これにより、生地をふんわりと軽く仕上げる事が可能になります。バターが良好なクリーミング性を発揮するには、その結晶がきめ細かな配列になっていなければなりません。一度溶けてしまうとこの型が崩れてクリーミング性は低下して口当たりが悪くなってしまいます。

明日はバターの取り扱いのポイントなどを書いてみます。

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