料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
ソムリエがワインを薦めるように、料理に合わせた日本酒を提案する時代が来ました。 |
砂糖のお話は今日が最後になると思います。
砂糖の働きと言えば、まず「甘味付け」でしょうが、それ以外にも、調理上大切な役割を果たしている事が多くあります。簡単に書いてみますが(下に書きます)多くは「水と結合しやすい」と言う砂糖の基本的性質を利用しています。中には意外だと思うものもあると思います。たとえば、水ではなくタンパク質の凝固を和らげる効果を利用して、砂糖を加えた玉子焼きは、ふっくらと柔らかく仕上がります。(とくにお弁当などに使う時には砂糖を入れたほうがいいでしょう、時間がたっても柔らかさが持続しますから)
で、その砂糖の効能ですが、思いつくものだけでもこれくらいはあると思います。
1.肉を柔らかくする。
肉の煮物を作るときに砂糖を加えて煮ると早く柔らかくなります。これは肉のタンパク質と水分を結びつけるのを砂糖が助けるためです。ただし、砂糖を一度に入れてしまうのではなく、数回に分けて入れて煮てください。
2.デンプンの老化と防止。
すし飯は、砂糖入りの合わせ酢を使う事で砂糖が水分を保持してくれます。時間がたってもご飯が柔らかく、つやよく保たれます。
3.メレンゲの泡の保持。
卵白に砂糖を加えて泡立てると、泡の水分バランスが保たれます。時間が立っても泡がつぶれることなく、しっかりとしたメレンゲを維持します。
4.果物のゼリー化の促進。
果物に砂糖を加えて煮ると、砂糖の働きで果物に含まれるペクチンが互いに結合するため、とろりとしたゼリー状になりジャムになります。
5.油脂分の酸化防止作用。
ケーキやクッキー、バタークリームなどでは、砂糖が水分を保持してくれるため、油脂分が参加しにくくなります。これによってバターなどの風味が保持されます。
6.発酵作用の促進。
パンを作るときに砂糖を使うと、イーストの醗酵を促進させ、パンをふっくらと作る事ができます。
7.防腐作用。
フルーツの砂糖漬けや甘納豆のように、カビや菌類の繁殖に必要な水分を吸収して、繁殖できないようにします。
8.焼き色づけ。
玉子や小麦粉のタンパク質と結びついて、パンやクッキーに美味しそうな焼き色をつけます。
9.浸透圧・脱水効果。
果実酒などを作るときに砂糖を加えると、果実から水分とともに香りと味を引きだします。
簡単に、本当に簡単に書いて見ましたが、何かに使えますかねぇ??。実際に料理を作っているときには、書き出したことをいちいち考え長らくつっているわけではありません。書いてみるとあれも砂糖、これも砂糖のおかげと分かり、日々の仕事の中での砂糖の位置づけが変わってきました。