お母さんが晩御飯に美味しい煮魚を煮てくれた次の日、「鍋に煮魚が残っていたはず」と思って鍋のふたを取ると、プルプルっとした「煮こごり」ができている。この煮こごりを熱々のご飯の上にのせて、とろりと溶け出してきた所をバクバクと食べる、こんな美味しい物があったのかと思うほど「ナイス」な食べ物です。しかし、このごろは家庭でもあまり煮魚を作る事もないようですし、ましてや「煮こごり」などと言う食べ物を知らない若いお客様も増えています。そこで今回は「煮こごり」を作ってみました。ちょうど６月から８月にかけて旬を迎え、なおかつ産卵をひかえて脂ののっている「穴子」を使ってみました。穴子はぬめりのある魚ですから、このぬめりをよく取ることから始まります。熱湯を軽くかけ、包丁の裏側でよくぬめりをこそげ落とします。鍋に穴子と出し汁と水、醤油、砂糖、みりんを入れコトコトと火にかけ、途中でもどした寒天を加えに詰まってきたら、これも戻しておいたゼラチンを加え、さらに詰めていき、最後にほそぎりにした生姜を入れ流し缶に流して出来上がり。冷蔵庫で冷やし固めたあと、適当な大きさに切り分けてお客様にお出ししています。皿の上に盛り付け、軽く山椒の粉を振り、さらに木の芽などをおけば美味しそうな「穴子の煮こごり」の出来上がりです。