７月の中頃から８月、９月にかけて遠州灘の沖合いでは、かなり大きくなった鯛をとれます。大きい物は５キロ以上にもなる鯛がいて、市場に出てきてもなかなか買い手がつかない物もあるくらいです。今回、風干し焼きに使う鯛は、まだまだ小型の鯛ですが、これからぐんぐんと大きくなっていく、力にみちた味わいのある鯛です。

作り方は至って簡単なのですが、少し書いておきましょう。三枚に開き（骨以外はすべて半分にします）酒塩に軽く漬けておきます。時間はその鯛の脂の乗りかたなどもあるので一概に言えませんが、３０分から１時間ほどではないでしょうか。よく水分を拭き取ったあとで、日陰の風通しの良い所に干しておきます。鯛を干しておく時間は、表面が軽く乾いてくるまで干しておきます。干物（今回は風干し）は、この風にあてておく時間でうまさに違いが出てきます。鯛のうまみを十分に凝縮させて食べるのです。鯛に限らず、いろいろな魚で試してみるのも面白いでしょう。