料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
ソムリエがワインを薦めるように、料理に合わせた日本酒を提案する時代が来ました。 |
あこう(赤魚)鯛と呼ばれていても、鯛とは無縁で深海メバルの一種で、その名のとうり全身が鮮やかな朱色で、目も口も大きく、とげが多くて、姿全体はゴツゴツとした感じです。以前は安い大衆魚として、せいぜい家庭で惣菜用に使われる程度でしたが、最近では、このあこうも鮮度の良い物は刺身にされたり、切り身にして粕漬や味噌漬けにして売られる事も多くなり、商品価値が上がってきました。あこうは、姿や色が良く似た同じフサカサゴ科のメヌケ類とよく混同されますが、メヌケはあこうに比べて大味で、味が落ちると言われています。秋から冬にかけて出回りますが、特に寒の頃は脂が乗って一番美味しいようです。
さて、このあこうを小さく切り分け(もちろん、頭も全部使います)、軽く火を入れた野菜(赤玉葱、竹の子、椎茸、蕪、ネギ)と一緒に酒蒸しにします。火が通ったところで、旨味の出た酒を鍋に入れ、出汁を加えて味を調え、皿に盛り付けたあこうの上にアツアツを上から掛ければ出来上りです。絹さや、柚、ラディッシュで飾って下さい。