鮪の座布団と言っても、何のことだか分かりませんよね。実は私も、去年初めてこの呼び名を知りました。簡単に言ってしまうと、鮪のオオトロの部分が売れずに残ってしまい、色が変わって本当に売れなくなった物を、このように呼びます。もっともこれは魚屋での事で、もし自分の店でこんな部分が残ったら全て食べてしまいます。

さて、このオオトロの部分は、柵取り（柵取りとは、塊の魚の身を刺身にしやすいような大きさの節、ブロック、のような物に切り分けていく事を言います）をせずに塊のままおいてあるので、小口に切り分け、鍋の中に入れます。いろいろな野菜の切り屑とにんにくを入れ、最初から弱火で火にかけていきます。とにかく、何回もアクをすくい、注意深くじっくりと火を通していき、およそ４時間ぐらいはコトコトと火にかけます。充分な時間になったら鍋の中の鮪を全部出します。残りのスープを瀘して取っておき、鮪の方は牛のコンソメスープで３時間ぐらい煮込んでいきます。時間になったらジューサーにかけたトマトを入れ、また煮込んでいきます。この間に塩、胡椒、にんにく、生姜、コンソメなどで味を調えておき、全体の量が半分ほどになったら出来上りです。

洋皿などに盛り付け、香草などを添えるとさらに良いでしょう。使い道のなくなってしまった鮪をこんな風にして食べてみるのも面白いと思います。