旬肴地酒 貴田乃瀬
旬肴地酒 貴田乃瀬
静岡県浜松市田町 231-1
TEL: 053-455-2832
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料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
ソムリエがワインを薦めるように、料理に合わせた日本酒を提案する時代が来ました。

97-09-04 旬の料理 Index / 蒸物

蒸物:甘鯛の馬鈴薯蒸し

甘鯛は京都で「ぐじ」、大阪で「くずな」と呼ばれ、「久志鯛」とも呼び、駿河湾産のものが、古くは江戸時代から盛んに賞味されていたようです。鯛に比べやや細長く、頭は削ぎ落とされたように角張っていて、沿岸で取れ、身は軟らかく蛋白で美味な魚です。京都で食べられる甘鯛は若狭物を極上とし、「若狭ぐじ」の名で呼ばれ11月から翌年の春先までが旬となります。白甘鯛、赤甘鯛、黄甘鯛があり白甘鯛が一番うまいとされています・・・地方によって順番が変わったりします。若狭の浜で開いて塩を当て、湖西の山を越えて京の都まで運ばれていました。交通状態がまだまだ不便な頃はおよそ1日がかりで、京都に着く頃には程よく塩になじんでおり、これをうまくこなして料理に使っていったのが名物料理になったわけで、乾物を戻して料理する方法とともに、山国で新鮮な野菜や魚介類の入ってこなかった京料理の特長となっています。ぐじはひと塩もの、いわゆる魚の開きですが、高級魚として扱われ刺身、またかぶら蒸しの具として、身が軟らかいので味噌漬けや粕漬けにして、身を締めてから焼いたり、酒蒸しなどの料理に向いているようです。身は水っぽく軟らかいために、生魚としての価値は真鯛に比べてずっと落ちますが、鮮度の良いもの(貴田乃瀬ではその日にあがった物を使っています)は、薄く甘みがあるので「甘鯛」の名前がついたようです。

今回の料理はこの甘鯛を使いましたが、季節季節でいろいろな魚に応用がきく料理だと思います。甘鯛の上に千切りにして卵白と混ぜ合わせた馬鈴薯をおき、蒸して火を通す、ただそれだけの料理ですが、これがなかなかいけます。

この料理には出羽桜 手造り吟醸 春雷を合わせてみました。

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