毎年、鴨を使った料理はいろいろと考えますが、今年の料理は鴨をつくね用に良く練り込み、つなぎには卵白を使わずに山芋を入れ、ほんの少しの胡椒と醤油・生姜・味醂などで味付け、沸かした昆布だしの中に団子状にして入れ、しっかりと火を通します。出来上がった団子は器に入れて少し山芋をかけ、蒸し直して温めます。蒸し上がったら鰹だしをかけ、最後に生姜を落としてお客様にお出ししています。

箸が団子の中にさっくりと入っていくくらいの柔らかさが、この料理のポイントです。

こういった料理に合わせていく酒はなかなか難しいところがあります。鴨の香りも消さずに酒の香りを楽しんでいただけたらと、喜楽長の「能登杜氏、天保正一」を合わせてみました。お互いに随分と個性の強いもの同士ではありますが、それぞれがお互いを引き合っているように感じます。