料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
ソムリエがワインを薦めるように、料理に合わせた日本酒を提案する時代が来ました。 |
寒くなってくると必ず欲しくなってくる料理のひとつに牡蠣鍋があります。冷えた体をぽかぽかと暖めてくれる鍋料理の中でもひときわ目立つ存在です。うちの店では鍋料理を出していませんので、お客様から牡蠣鍋のような料理は作れないものかとよく言われます。
そこで牡蠣と味噌を使ってグラタンを作ってみました。小さなグラタン皿に焼き豆腐を敷き、牡蠣と味噌・とろけるチーズを重ね、最後に春菊をのせてオーブンで焼き上げます。焼き上がりに山椒の粉をひと振り、味をしめます。まるで牡蠣鍋をそのままグラタンにしたような料理です。味噌とチーズどちらもたいへんに牡蠣との相性が良く、また焼き上げることによって牡蠣の旨味をグラタン皿の中に残さず取っておくことが出来ました。
たいへん味のしっかりとした料理ですから酒も負けないような物を合わせることにしました。出雲富士の吟醸酒「吟」はすっきりとした辛口タイプの酒で、グラタンと牡蠣の味にも決して負けないほど自己主張をしています。