旬肴地酒 貴田乃瀬
旬肴地酒 貴田乃瀬
静岡県浜松市田町 231-1
TEL: 053-455-2832
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料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
ソムリエがワインを薦めるように、料理に合わせた日本酒を提案する時代が来ました。

04-10-02 旬の料理 Index

秋刀魚の重ね焼き・・・・。

毎年のメニューなので別に書かなくっていいかなぁ・・と思っていたら、お客様からどうやって作っているのかちゃんと書いてくれって言われた。まぁ、同業者じゃないし、どうやらこのメニューがどれだけの工程で作られているのかを単純に知りたいだけのようだったので「はいっ」の一言で書いておくのだ。
「秋刀魚の重ね焼き」と言うメニューで、貴田乃瀬では結構スタンダードな季節メニューなのだ。流し缶に秋刀魚を重ねる、とにかく重ねて蒸し上げて火を通す。出来上がったときの切り方(切り口の見せ方で)「秋刀魚の博多焼き」にもなるし「重ね焼き(うろこ焼きとも言う)」にもなる重宝するメニューなのだ。で、簡単にここで終わったのでは怒られるだろうからもう少し詳しく書いておくことにするのだ。

まず、秋刀魚は三枚におろしてきれいに腹もすいておく(すいておくと言うのは、腹骨のところもきれいにとっておくと言う事)大きさにもよるけれど貴田乃瀬で使っている流し缶1つに必要な秋刀魚は約30匹だ。30匹を三枚におろすのだから、都合60枚の秋刀魚の身ができる。これを醤油とみりんと酒で作ったタレに漬け込んでおく、時間的には約3時間ほど。で、これの水気と言うか醤油を良くふき取る、さらにこの秋刀魚を流し缶にぴったりの大きさに切りそろえていく。30匹のうちの6匹ほどはすり身にして接着剤代わりにするのだ。
流し缶に秋刀魚を引きつめ、接着剤代わりの秋刀魚のすり身を塗ってまた秋刀魚を重ねる。秋刀魚がなくなるまで重ねていく。ラップできっちりと流し缶を包み込み蒸し器に入れて蒸して火を通す・・時間にして約30分から40ほどか。火が通ったら今度は時間をかけて常温で冷ましていく。急速で冷ますと流し缶の中で秋刀魚が縮んでしまいよくないのだ。

こうして完成した秋刀魚の重ね焼きは、注文が入ったときに適当な大きさに切り分ける。もちろん「重ね焼き」と言うくらいだから、お客様に出す前に今度は焼き大で表面をこんがりと焼いて出さないといけないのだ。

完成した「秋刀魚の重ね焼き」には酢橘をつける。貴田乃瀬では大根のソースも一緒に付けておく。大根おろしに醤油なんてあまりにも能がない。季節メニューの代表格だな。

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