前のホームページの時に紹介したので２回目になるけれど、また紹介するのだ。アサリのお粥蒸しバジルソース・・この時期評判のいい料理だ。アサリを使った料理で思いつくのはアサリの酒蒸しぐらいだと思うけど「それ以外に何かできないの？？」とお客様に言われ、考えたのがこの料理だ。もう４年ほど前のことになる。最初につくった年には思うような評価をもらえなかったけれど一昨年、居酒屋探検で評判の「大田和彦」さんがふらりとお店に来てその時の事を「東海道　居酒屋膝栗毛」と言う一冊の本の中で紹介してくれてから驚くほどよく売れるメニューに変身した。

２００１年は徳川家康が慶長６年（１６０１）に東海道を制定して４００年に当たるのだそうで、それを記念して２０００年夏から２００３年春まで東海道は品川の宿から京都宿までの居酒屋や料理屋を食べ、飲み歩き文章にまとめたものを「文芸ポスト」に載せ、それを一冊にまとめたものが「東海道　居酒屋膝栗毛」だ。

「文芸ポスト」と言うあまり馴染みのない季刊誌に載ったため、たとえ貴田乃瀬のことが書いてあっても誰も見てないだろうなぁ・・と思ったのは大きな間違いだった。以外や以外。この誰も見てないような雑誌（すいません）、サラリーマンの方々には結構読まれているようで、それも県外のお客様。出張や、転勤で浜松に来ることになったお客様から「あの本に載っていたアサリのお粥蒸しバジルソース」って言うのが気になるんだけど、いまやってますか？」との問い合わせ。これで火がついたんだけど、その年はすでにアサリの時期は終わりに近づきつつあり「申し訳ありませんが来年の５月ごろにまた始めますから」・・と悔しい思いでお断りをしてきた。

で、まさか去年の話なんて誰もおぼえていないだろうと思ったのは大きな間違い。５月には入ったとたんに電話が入った「去年電話したものですが、アサリのお粥蒸しバジルソースは始まりましたか」って。それから実にコンスタントによく出るメニューになった。太田和彦さんにも感謝をするけど、去年の話を忘れずに覚えていてくれたお客様にも大感謝。意外な形でヒットメニューは生まれるものなのだ。