セブン・イレブンの協力も生半可なものではなかった。顧客の嗜好データや助言、実際にビールを販売するときの物流の再点検など、チルドビールにかける意気込みはキリン以上だったかもしれない。顧客データを参考に、大麦麦芽に小麦麦芽をブレンドしてすっきりとした味わいのビールを造ることに成功、味の決め手となる酵母については、なんと世界１６０種類から選びに選び抜き、５００回にも及ぶ試験醸造とティスティングの末に完成した。これがチルドビール第１号の「まろやか酵母」・・きめ細かな泡と生きた酵母による白い濁り、まろやかなコクを持つ、まさにキリンのチルドビール自信作であった。

このキリンのチルドビール「まろやか酵母」はそれまで会社帰りにコンビニでビールでも買って帰ろう・・独身男性から火がついた。２０大の後半から３０代の男性の間で話題になった。この好調を受けキリンは昨年の１０月にチルドビールの第２弾として３０代をメインターゲットにして、今までのビールにはなかった味わい。麦芽と高い温度で「焙煎」したカラメル麦芽、さらに、乳糖を加えたほのかな甘みが特徴のチルドビールを完成させた。焙煎したカラメル麦芽の香ばしい香りと繰りーミーな泡でやわらかい味わいが楽しめると評判になっている。

キリンの攻勢はまだまだ続く。今度はコンビニのローソンと共同開発の発泡酒ビール「ハニーブラウン」を開発した。昨年の６月から一部の店舗で発売されている。ローソンの全国の店舗の販売実績で葉、店舗によっては発泡酒ビールでは１位となっているそうだ。自信をつけたキリンとローソンは昨年の７月から全国発売。さらに今年の２月からはローソン以外の全国店舗に一般開放して販売をしている。

さらに続く。