旬肴地酒 貴田乃瀬
旬肴地酒 貴田乃瀬
静岡県浜松市田町 231-1
TEL: 053-455-2832
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料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
ソムリエがワインを薦めるように、料理に合わせた日本酒を提案する時代が来ました。

05-08-24 お知らせ

辛い・・・・・・・・・。

辛い。

私の親方のお店で長年修行していた「彼」と久しぶりに連絡をとった。私よりも少し年下だが四十も半ばにはなっている。ぶっきらぼうで人見知りの「彼」はカウンター商売には向かず、厨房の中で仕事をする「職人」タイプの男だ。なんと言っても、私の親方のお店で、親方のもとに長くいたのだからそれはそれなりの仕事をこなせる男だ。この場合の「それなり」は、私などから見れば親方のコピー的仕事がこなせるほどの実力を現す「それなり」だと言う事を理解しておいて頂きたい。

「彼」は、そのぶっきらぼうで人見知りの性格ゆえか、なかなか「彼」を使いこなす「店」にで合えずいる。自分を上手に他人に伝える事が下手なのだ。私のようにべらべらと喋り、お調子者ではない。兄弟弟子の中にだって「彼」のことを悪く言うやつはいないはずだ。

久しぶりに連絡をとって・叫びたくなるほど驚いた。四十も半ばになる「それなり」の仕事を十分にこなせる「彼」の給料は、そこいらにいる・少し言葉が悪いが・今風のあんちゃんがアルバイトで得る金額と大差ない金額だった。何故、どうしてそんな所ではたらいでいるのか?・と聞くと「自分の年ぐらいになるとなかなか働かせてもらえる場所がないですよ・・ここも、人に間に入ってもらってようやく働かせてもらっているんですから・・・」・・・・・・・・・・電話を握りながら涙が出た。「彼」の仕事は、私から見れば「私の親方」の仕事だ。その仕事がそこいらのあんちゃんがもらうお金と一緒の評価なのだ。泣けた。

電話を切った後、しばらくなにもする気にもならずにいた。十五の歳に、まだ、まったくの子供の歳にこの世界に入って・・入ってと言っても自分の意思では行って来たのじゃない、十五の子供が自分の将来なんて考えるはずもない。「彼」の親が捜してきた仕事だ。それから・・いったい何年辛い修業をしてきたと言うんだ。殴られたり、蹴られたり・・食事をするヒマもなく朝から夜遅くまで、一日12時間以上も毎日、毎日働きに働いてきた。

世間の評価はこうなのか・・・。今「彼」が働いているお店の親方の評価がその金額ならば、その親方はどれほどの仕事が出来るのだろうかと考えてしまった。不景気で働ける場所があるだけでも幸せだ・・・とか、職人は四十をこえると給料が高くなるから使いづらい・・とか。わかっているけど、あんまりな金額だ。

今日はまともに眠れそうもない。

  • うーんどうなんでしょうか?時代の波と一言で言ってしまうにはどうかとは思いますが、仕方が無いことではないかと思います。
    職人さんはすばらしいと思いますが、営業では無いですし、実際にお金を運んできてくれるのはお客様。お客様を呼ぶ事が出来なければ仕方が無いかなと思います

    2005/08/25 by 暁 瑠宮
  • 確かにおっしゃるとおりでしょうねぇ。分かるのですが、職人達が今置かれている状況と言うか、しっかりと年季をかけた職人が少なくなる中で、彼のような職人を使いこなせる飲食店もまた、少なくなってきていると言う事も問題なのだと言う事も分かってきました。ご意見ありがたく承ります。

    2005/08/26 by おやかた
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