旬肴地酒 貴田乃瀬
旬肴地酒 貴田乃瀬
静岡県浜松市田町 231-1
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料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
ソムリエがワインを薦めるように、料理に合わせた日本酒を提案する時代が来ました。

05-04-19 お知らせ

凍みこんにゃく。

凍みこんにゃく(しみこんにゃく)。

しっかりと戻した乾燥竹の子を凍みこんにゃくでくるりと巻き、干ぴょうで縛る。鍋に濃い目にとった鰹出汁を入れその中でじっくりと味を含ませて行く。今年の竹の子の料理。ついこの間も竹の子の料理について書いたけど「乾燥竹の子」とか「凍みこんにゃく」って言うのは何なの?。って質問されたので、今回は「凍みこんにゃく」について書いておく。

茨城県常陸太田市天下野町(旧、水府村天下野)では昭和の初めには50件くらいの農家が冬の農閑期を利用して「凍こんにゃく」を作っていたそうだ。戦後、厳冬期の重労働と高齢化で一件一件と消えていき、、1985年では全国で一件に。湿気さえ寄せつけなければ50年は持つと言う食べ物なのだ。乾物の中でもこれだけ水分の多いものを干して作るものは珍しいかもしれない。普通のこんにゃくなど、そのほとんどが水分で出来ているわけだし、高野豆腐も水分の多い豆腐で出来ている。確かに凍みこんにゃくも高野豆腐も戻すとスポンジのようになる。元がこんにゃくな訳で、それ自体の味・・って言われても、特別これだって言う味わいがあるわけでもない。どこか懐かしいような、今、自分の周りではあまり気がつく事のないような味わいかも知れない。

こんにゃくに20日間も水を掛けながら厳冬期の自然の冷気で冷凍・乾燥を繰り返すのだそうだ。20日間過ぎる頃には風で飛ぶように軽くなった凍みこんにゃくが出来上がると言う。
しかも50年以上保存が出来る昔の人が考えた保存食の知恵が詰まっている、ある意味では究極のスロ−フ−ドかもしれない。

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