この時期の話題となると、どうしても忘年会の話になってしまう。一昔前なら「忘年会」の開始時間は５時ごろと決まっていた。会社が５時に終わるのに、何で５時に飲食店の前に集合しているのか、この仕事以外についた事のない私には不思議でならなかった。まっ・・５時からきっちりと「忘年会」を開始して早ければ８時半ごろ、遅くても９時にはすっかり出来上がってグループなり、有志なりがそれぞれを檀家さんとしている「手前」のお店に繰り出していった。２次会・３次会と続き、深夜２時３時まで町はにぎわっていたものだ。

このごろの「忘年会」はかなり様相が違う。最初から２次会はない・・ので、宴会の開始時間が遅いのだ。ほとんどが６時から、７時からなんて言う宴会もある。貴田乃瀬の開店時間が６時だからって言うわけでもない、お得意さんはわがままで｢親方、予約の宴会は５時半からねぇ・・｣と、こちらの都合はあまり聞いてもらえない。お客様に言われれば頑張って５時からでも店は開くのだ。つまり、こちらの都合ばかりではなく６時からという事になっているのだ。

一昔前には｢料理は速く出してね、とにかく早く、何なら行った時に全部並んでるくらいでお願いね｣なんて言われたものだが、このごろは違う｢一品ずつ、ゆっくりと出してくださいね。時間はたっぷりとありますからね｣・・・なのだ。別段私の仕事が遅いわけでもないと思うが、それ以上にゆっくりでもかまわないと言うのだ。

９時か１０時にはお開きだった宴会も、このごろは１１時・・時には１２時を回るくらいにゆっくりと話し込んでいくお客様が多くなった。タクシーや代行運転もひところのように１時間待ちなんて言う事もなくなった。

おかげさまで今年も忙しく年末の月をおくらせて頂いているけれど、様変わりした｢忘年会｣に少し寂しい気もするのだ。