旬肴地酒 貴田乃瀬
旬肴地酒 貴田乃瀬
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03-11-10 調味料 Index

調味料:コショウ 1 (基礎知識)

本来ならば、続けてビネガーの話を書こうかと思っていましたが、その資料がまだそろいません。で、先にコショウを書きたいと思います・・・・まぁ、正直に言うとこちらはすでに資料がそろっているものですから。勝手な書き込みですが、すいません呼んでやって下さい。

では、コショウの基礎知識を。

コショウの原産地は、インドの南西部のマラバル沿岸だと言われています。この土地で栽培が始められたのは、なんと2500年も前、紀元500年ごろのことだと言われています。当初は、高価な医薬品として珍重されていたそうです。古代ギリシアで医学の父と呼ばれたヒポクラテスは、コショウに蜂蜜と酢を混ぜると婦人病に効く、といった記述をしています。調味料として使われるようになってからも、コショウの価格は上がる一方でした。

たとえば、他国との戦争に勝利した褒美として兵士に分け与えられたとか、中世には、結婚式の持参金や税金の支払いに、通貨代わりに使われたというエピソードがいくつも残っているほどです。珍重された理由は、おもに3つあります。そもそもコショウは熱帯性の植物で、ヨーロッパでは栽培できません。東洋からの輸入に頼るしかなく、絶対量が限られていたというのが第1の理由です。第2には、ヨーロッパには、それまでハーブ系スパイスしかありませんでした。コショウは、まったく新しい刺激と香りを持つ香辛料をして好まれたのでした。そして第3には、冷蔵庫のない時代だったため、単なる香り付けだけではなく、保存や殺菌に効果があるといわれたコショウは大変重宝されたのです。

さて、当時のスパイス貿易を牛耳っていたのは、アラビア商人たちでした。ヨーロッパの商人は、この権利を奪おうと必死でした。宗教が目的といわれている「十字軍の遠征(キリスト教徒によるイスラム教徒征伐)」も、イタリアの豪商たちがスパイスほしさに企てたものだとさえ、言われています。また14世紀に始まる大航海時代も、ヨーロッパ諸国がスパイスを東洋に求めた遠征でした。これほどまで、歴史の表舞台に立ち、国や人を動かした食品はおそらく他にないでしょうね。

明日は、コショウと日本のかかわりを書き込みたいと思います。

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