旬肴地酒 貴田乃瀬
旬肴地酒 貴田乃瀬
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03-10-22 調味料 Index

調味料:ミリン 4 (歴史)

今日はミリンの歴史について、簡単に。

本ミリンの起源については諸説あります。日本で生まれたと言う説と中国伝来説の2つが有力です。しかし、日本に古くから甘い酒が存在していたのは確かな事実と言われています。書物の中にみりんの文字が決定的に登場するのは、1593年の「駒井日記」・・ミリンの文字に(蜜醂酎)の3文字が使われています。

戦国時代から江戸時代にかけては、一般に飲用として珍重されていたと言います。酒の飲めない下戸はもちろん、砂糖が貴重な時代なので、女性にも好まれたそうです。ただし、現在のミリンに比べてエキス分が半分ほどで、比較的にサラリとしたものだったらしい・・と言われています。京都や大阪では(やなぎかげ)江戸では(本直し)の名前で呼ばれていました。

江戸時代も中期を過ぎると、特有の風味と上品な甘さが料理にも使われるようになりました。とくに関東で、そばつゆや蒲焼のタレなどに珍重され始めます。

明治に入ってからは、牛鍋から生まれたすき焼きにも醤油とともに欠かすことのできない調味料となりました。

このように一般に広まって消費が増えるにつれて、もっとコクのあるノビのきくものが求められるようになります。エキス分の濃い、現在のミリンに近いものが造られるようになりました。大正末期から昭和の初期にかけてのことです。

昭和に入ってから、戦前は米を使えたものの、戦中戦後は許されず、昭和18年から8年間は税増が禁止されていました・・余分なものだと思われていたのですねぇ。その後再開されてからも、高い酒税が課せられます。ちなみに昭和30年ごろは、一升瓶1本1000円とすると、酒税は762円となります。この当時、掛け蕎麦は1杯30円ほどの時代です。こりゃぁ、どうなってる!!!。私よりずっと年配の料理人に聞いた話しですが、当時の料理人の間では「うちの店ではミリンを使わせてもらえる」というのが自慢話しとして使う事ができたと言われるほど貴重だったそうです。

話はまだまだ続きます。また明日。

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