旬肴地酒 貴田乃瀬
旬肴地酒 貴田乃瀬
静岡県浜松市田町 231-1
TEL: 053-455-2832
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料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
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03-05-22 鮨ネタ Index

鮨ネタ:小鰭 (コハダ)

<写真のシンコ6枚つけは安来寿しさんのご好意で転載させていただきました。>

コハダ・・コノシロ。

コハダの名前で親しまれていますね。江戸前の鮨ネタにはかかせない魚ですね。鮨でヒカリものと言えば、まずはこの魚を思い浮かべます。大きさにより各地でいろいろな呼び名があります。一般的に4センチ前後のものを「新子(シンコ)」、10センチ前後のものを「コハダ」20センチを越えるようなものは「コノシロ」と呼ばれます。鮨ネタにはコハダの呼び名がそのまま使われます。「コノシロ」と言う名前は、この魚があまりにも大量にとれて、庶民が飯代わりにしたと言うので「こ(古代の言葉で食べ物を意味するのだそうです)」の「代わり(白・・と言うのだそうです・・昔の言葉で)」呼び名がついたと言われています。またこの魚は、焼くと人を焼く匂い(なんてこったい)に似ているといわれ、昔娘を差し出せといわれた人が、この魚をたくさん焼いて、その煙と匂いで娘が死んだと言い逃れたのだそうです・・で「子のしろ(代わり)」だとも言われています。

適度に脂があって、栄養価も高い魚ですが、小骨が多くて独特のくせがあるので普通、酢で〆て食べます。まるで握りのためにあるような魚ですねぇ・・・。て言うか(今風の言葉使いだナァ)こうして工夫して食べるようになったと言うことですね。
一工夫させすれば美味しく食べる事の出来る魚って言うのは、本当はたくさんあるのだと思います。

若くて柔らかい感触にほのかな香り、江戸前のおすしの中でも特にこの魚だけが「香りもの」と呼ばれています。ただし初秋の「シンコ」に限っての事ですが。(場所によっては、初夏にもシンコがとれます)背開きにして、握った上に一匹がやっとのるくらいの大きさ。鮨ネタ以外にほとんど調理して使われる事のない魚ですね。生のままでは持ち味が生きてこないんですね塩で殺して酢で〆て・・・・ああっ、手間がかかる。

お店によって〆る時間も当日限り・・ほんの数十分から2〜3日は置いておく所までいろいろです。江戸前のおすし屋さんでは、この魚に対する仕事ぶりで評価が決まるとさえ言われています。微妙な魚ですねぇ。しかし、今のおすし屋さんの多くはこの魚をあまり重要視していないのかもしれません。あまりいい仕事を見た事がないのが現実ですねぇ。必ず美味しい(そう感じる人ばかりではないのがこの魚)と言うわけではありませんが、一通りおすしを注文するときには必ず入れておかなければならないと勝手に決め付けている魚のひとつでありますねぇ。

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