旬肴地酒 貴田乃瀬
旬肴地酒 貴田乃瀬
静岡県浜松市田町 231-1
TEL: 053-455-2832
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料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
ソムリエがワインを薦めるように、料理に合わせた日本酒を提案する時代が来ました。

03-05-19 鮨ネタ Index

鮨ネタ:羽太 (ハタ)3

<写真のキジハタ、アカハタ、クエは安来寿しさんのご好意で転載させていただきました。>

さて「ハレ」の日の「ハタ」・いよいよおすし屋さんでの「ハタ」のお話しです。

そのまま握ってもらっても十分に美味しい魚ですが、昆布〆にしたり、塩で軽く〆たりといろいろな食べ方があります。以前、九州に旅行で出かけたときに博多・宮崎・鹿児島・長崎でそれぞれ「ハタ」の握りを食べました。結果から言ってしまうと、何処で食べた握りも大変美味しかったと言うことです。それぞれの場所で、十分に試行錯誤が繰り返されて、もはや余計な手の入る余地のないくらいに完成した「握り」の食材になっていました。昆布〆も食べたし、薄く塩で〆たものも食べました。当然そのまま握ってもらっても。醤油などのかわりに塩昆布をちょこっとのせて食べたり、とにかく九州の方々はハタを美味しく食べる方法を熟知していらっしゃる。

本当は私のお支払いする金額では食べられなかったのですが、静岡県からはるばる来たという事でハタの唇のところを酒蒸しにしたものを食べさせていただきました。身近にある魚では味わった事のない「美味ししさ」でした。例えようがないと言うのか、今までに味わった事のない「魚」としての味わいでした。「魚」と言うと「?」・・・と言う感じさえしました。遠州灘で取れた大きな鯛の頭を酒蒸しにしても、このハタの唇に当たるようなゼラチンの塊の部分が思い当たりません。ほんの少しならば、タイの唇の部分でも味わう事ができるかもしれませんが、口の中に入ってくる圧倒的な量と旨味がありません。所変われば・・・まさしくと感じた一瞬でした。

ハタの握りもまったく同じ感覚でした。例えて言うならば・・の例えが思い浮かばないのです。確かに身近でもハタの仲間はたくさん取れますし、握ってもらい食べた事もたくさんありますが、何かが違うのです。九州の方々のおっしゃる「ハタだぁ〜」と言う勢いにも似た威勢のよさが口の中に広がっていきません。「ハタを美味しく食べるためには、ここ九州まで来ないと食べられないのかナァ・・・」そう思わせるほどの力強さを感じました。なかなか九州まで行く事ができませんが、時間が取れるようになったら、とにかくおかみさんを連れて行ってハタを食べさせてあげたいと思っています。私がハタを熱く語れば語るほど「私は連れて行ってもらってないし、食べたこともないから全然分からない!!!」って怒られちゃってますから。

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