クロダイ。

磯釣りの魚として人気がありますね。色は黒いが、れっきとした鯛の仲間。姿は鯛に似ていますが、顔はやや鋭角的で、真鯛に比べてやや体高が小さいのが特徴です。幼稚漁期から若魚までは雌雄同体で、２５センチほどになると雌に分化していきます。また成長していくに従って名称が変わり、ある意味出世魚的なところもあります。

このクロダイによく似た魚が２種ほどいます。「ヘダイ」と「キチヌ（通称チヌと呼ばれています）」です。「ヘダイ」はクロダイに比べて体が大きく、姿は真鯛によく似ています。「キチヌ」は西日本に多い魚で、黒鯛と似ていますがやや小型になります。色もやや白っぽく、ムナビレ、ハラビレ、シリビレなどが黄色いのが特徴です。人によってはクロダイよりもずっと美味しいと言う人もいます。

磯の香りの強い魚ですね。本来は身の勢いを洗いなどにして楽しむ魚でしょう。石鯛もそうですが、握りにしてもらっても味的には落ちる魚かもしれませんね。しかし、この魚くらい一般の家庭に深く浸透している魚もないかもしれません。そりゃァ、サバやハマチと言うわけには行きませんが、ご主人が釣りをなさっている家庭ならば（もちろん磯釣りですが）必ず奥様も知っている魚でしょう。

刺身にするのが一般的でしょうが、私個人的に言わせていただければ握りもいいんじゃないか・・なっ・・と。（本当に握ってもらえるならなんでも食べるんだナァ・・・）一口でパクリといっても感動するほどのインパクトはありませんが、上の方に書きましたが「磯の香りが・・・」っていう魚です。ああっ、黒鯛の時期になったんだナァ・・・って実感させてくれる魚だと思うんですけど。

すし屋さんによっては嫌がりますが（味が下品らしい）クロダイの潮汁をつけてもらえたら最高なんだけどナァ。