旬肴地酒 貴田乃瀬
旬肴地酒 貴田乃瀬
静岡県浜松市田町 231-1
TEL: 053-455-2832
Welcome to Kitanose
料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
ソムリエがワインを薦めるように、料理に合わせた日本酒を提案する時代が来ました。

03-05-12 鮨ネタ Index

鮨ネタ:海苔 (ノリ)

ここらでちょっと一休み。今回はおすしにかかせない「海苔」の話を。

海苔は秋に付いたものが冬の間に成長します。11月から12月・最初の若芽を摘んだものが初海苔とよばる物になります。柔らかく最高級品になります・・ただし現在はそのほとんどが養殖されています。種付けは冬の間に3〜4回に分けて付けられるので、若芽はそのたびに摘む事ができます。

海苔摘みは2月が盛りで4月には終わります。出荷の際に、色、光沢、香り、形、厚み、乾燥度、混ざり物の有無で7ランクに分けられます。黒ぐろとしていて均一に厚みのあるものが良品とされています。ただし黒さは好みの問題で、必ずしも黒ければ味がいいとは言えません。ただ、紫に変色したものは、すいた後に湿気、光を取りすぎたもので質が悪いとされています。いまや全国で養殖されており、海苔に限っては生産量が増えています。輸入物はほとんどありません。ただ、ここ何年間かは有明ものがほとんど壊滅状態で、ほんの少しだけ輸入物が入ってきているようです。

海苔が広く定着したのは江戸時代に入ってからの事、当時浅草界隈で天然の海苔が多く取れたことから浅草海苔の名前が残っています。って言う事は浅草あたりは海が近かったって事ですよね・・へぇ〜〜(80へぇ)。また、浦安・大森界隈で取れたものを、紙すきの技術のあった浅草ですかせたからだとも言われています。海苔もまた江戸前だったからこそ、握りずしにも使われていたんですねぇ。

江戸前の巻物は焼いた海苔を使い、海苔巻きと呼ばれる細巻き。これはその形から鉄砲巻きとも呼ばれています。関西が、焼かない海苔を使い、太巻きである事と比べれば大きな違いですね。江戸前では、海苔を焼いて張があるうちに使うので、巻物はそれなりに修行が必要だとされています。海苔は焼く事によって鮮やかな緑に変わり、香りやぱりっとした歯ざわりを増します現在築地市場の海苔の取扱量は8〜9割が焼き海苔になりました。おすし屋さんが店先に七輪を出して海苔を焼かなくなった分、鮨から海苔の高い香りがなくなっているのでしょうか。東京の数寄屋橋に在る「数寄屋橋次郎」さんでは、親方が毎日店の前に七輪を出して海苔をあぶっていると聞きお店が開く前にお邪魔したら、本当にお店の前で海苔をあぶっていました。これには驚きましたねぇ。

おすしにかかせない海苔。おろそかには出来ません。

Copyright 1996-2004 Kitanose, All rights reserved.