旬肴地酒 貴田乃瀬
旬肴地酒 貴田乃瀬
静岡県浜松市田町 231-1
TEL: 053-455-2832
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料理とお酒の相性を知っていて食べたり飲んだりする方が、なおさら美味しく味わえます。
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03-06-09 鮨ネタ Index

鮨ネタ:鮪 (マグロ)

<写真の本マグロは安来寿しさんのご好意で転載させていただきました。>

マグロ・・・本マグロ。

口の中いっぱいに広がる味わいは、やはり濃厚な脂ののりぐわいによる所が大きいんですよね。何って言ってもマグロ。シビマグロ、あるいは本マグロとも呼ばれているマグロです。明治に入ってから本格的に使われるようになったマグロです。いまや鮨ネタの王様って感じですね・・いや、感じではなくって王様になってます。明治の頃にはいくらでも房総半島沿岸で上がったと言います。やはり乱獲と言うのでしょうか、現在では考えられない事です。このまま取り続ければ絶滅危惧種として保護する事さえ、遠い将来の事ではないとさえ言われています(そんな事になったら口に入る事は絶対にないんでしょうね、おじいちゃんは昔このマグロを食べた事があるんだぜぇ・・なんて孫に自慢してたりして)冷蔵設備もろくにない時代の事ですから、マグロは脂の多い腹の部分から腐っていきます。そのためにトロの部分は食べなかったと言われています。

また、赤身の部分も「ヅケ」と呼んで、煮切り醤油に漬けて保存しながら使っていました。「ヅケ」もまたマグロを味わうために考え出された物ではなく、まず、保存のために考えられた物なのですね。しかし、「ヅケ」の方が味わいがあるからと、現在でもこの方法を守るおすし屋さんがわずかに残っていますねぇ。いいですねぇ、個人的には(このコーナーではすでにおなじみの言い回しになって来ましたね)「ヅケ」大好きです。同じマグロを使っても、お店によって「ヅケ」の煮切り醤油の加減が違うのか、漬け込む時間が違うのかその味わいはお店の数と同じくらいの数があります。

10kg以下の「メジ」と呼ばれる幼魚は、夏場から比較的安い値段で市場に出回ります。遠州灘では春先のカツオの後にやってきます。モチガツオのように比較的陸地に近い所で取れますからモチガツオならぬ「モチメジ」でしょう。この握りもまた美味い・・・・・・。冬場には津軽海峡から三陸沖にかけて上がるクロマグロにはキロ1万円以上の値がつきます。
マグロ1本で200kg〜300kgとして300万円ぐらいは当たり前、上物になれば倍の600万から1000万円なんて言うのもあります。その中から身肉だけ切り分け、さらに腹の脂の乗った大トロや中トロだけを選りすぐります。ここまでくるともう天文学的値段になっていたりします。食べた事はないですが美味しいんでしょうかねぇ。ここまでの値段の物を年中あつかえるようなお店は日本全国探しても、あそこにもある、ここにもあるって言うわけには行きません。銀座のおすし屋さん辺りに集まってくるんでしょうねぇ(銀座って、ある意味すし好きには最終兵器的なところがありますね)。鮨ネタの中でもおすし屋さん泣かせの食材であることは間違いもなく、また一番の高級品であることも間違いはないでしょうね。

世界で一番のマグロ好きの日本へは、各国から保冷・冷凍でいろいろな種類のマグロが集まってきます。その中でもクロマグロならいずれも値段は高い・・。他にもインド洋で取れるインドマグロ、大西洋のジャンボマグロ呼ばれている物まで・・。
このままでは、世界中のマグロを日本人が食べつくしてしまう・・本気で心配している団体もありますから、ただ食べるだけではなく養殖とかの道ももっと真剣に開いていかなくってはいけませんね。養殖が出れば天然がいいって言うに決まってますけどね。とにかく、日本人が発明したおすしには絶対にかかせない魚です。

確かに、マグロの漁獲高は年々減る傾向にありますし、マグロの個体数も確実に減ってきているのでしょう。本気で取り組まないと孫の代までマグロを残していく事ができないかもしれません。鮨好きだといって、ただ食べているだけではなく何かしらのリアクション(何が出来るか分かりませんけど)を起こしていかなければいけないんでしょうね。

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